BEFORE
AFTER
レポート作成の手作業がなくなる
RUFU AIが週次・月次の数値を反映し、変化があればSlackに通知。人は知見を乗せる部分だけを担当します。自動化前の主な作業
- COLLECT 数値を集める モールの管理画面から週次・月次の数値を集める
- REPORT レポートに転記 得意先ごとのレポートへ転記し、数字を突き合わせる
- MONITOR 管理画面を巡回 カート取得状況や競合の価格を管理画面で確認する
- WATCH 売り場を定点観測 セール期はAmazonのトップページを張り付いて確認する
博報堂 コマースコンサルティング局は、メーカーやリテールの「売れる仕組み」を、構想から売り場まで一気通貫で設計しています。
戦略設計から広告運用、モールごとのページ改善、週次・月次のレポーティング、競合動向の把握まで、担当業務は多岐にわたります。そのどれもが得意先の売上に直結する一方で、手作業にかかる時間が増え続けていることが課題でした。
こうした課題に対し、RUFU AIをどのように活用したのか。博報堂 コマースビジネスデザイン事業ユニット コマースコンサルティング局 ECアライアンス領域 担当部長の川口渉様と、RUFU代表・黒岩の対談をお届けします。
チームのミッション ── お客様のEC売上に、一緒に責任を持つ
──まずは、川口様の所属と役割を教えてください。
川口様:コマースビジネスデザイン事業ユニット内の、コマースコンサルティング局に所属しています。メーカー様やリテール様に対し、生活者の購買を後押しするコンサルティングを提供する組織です。その中で私が担当しているのがECアライアンス領域で、得意先のEC売上に一緒に責任を持つ立場です。
──具体的には、どこまで支援されているのでしょうか。
川口様:メーカー様のEC運用に伴走し、売上を最大化することが通常のミッションです。大きく二つの軸があり、一つは全体戦略をどう立てるか、もう一つはモールごとの運用をいかに最適化するかです。Amazonに出店されているお客様、あるいは卸をされているお客様では、それぞれ特徴が異なるため、そこに合わせて戦略を一緒に組み立てていきます。
Before ── 人が管理画面を見に行き、数字を集めていた
──弊社と取り組みを始める以前から、AIの活用方法を模索されていたと伺いました。
川口様:限られたメンバーで、どこまで成果を出せるか。これは組織として、以前から抱えている課題です。特にECはご存じの通り想像以上に手間がかかります。細かな作業が多く、間違いも許されません。そうした中でAIの活用方法を模索してきました。
川口様:代表的な例が売上分析です。属人的になりがちだった部分をAIエージェントで自動化し、定期的に分析を実行する。レポーティングもまずAIで作成しその上に人の知見を加えるというのを今は取り組んでいます。
──レポート1本に、どれくらいの時間を要していたのでしょうか。
川口様:慣れた担当者が行っても、1回1日1時間くらいです。ただ、数字が合わないときや、チームのメンバーが担当する場合は、1回2〜3時間かかります。その負担はかなり大きいですね。
黒岩:しかも、それが得意先1社あたりの話で、担当する社数に応じて毎週積み重なります。月単位で見れば、転記と確認だけでも相当な時間を費やします。
川口様:時間あたりのコストで考えると、こうした仕組みは迷わず導入すべきだと思います。
きっかけ ── 「エージェントは山ほどある。でも『ECの業務ができるAI』はなかった」
──複数のAIツールをすでに活用されていた中で、RUFU AIを導入した理由は何だったのでしょうか。
川口様:AI活用は、今やどの企業にとっても欠かせない取り組みだと思います。既存のAIを組み合わせて自分たちで仕組みを作ることもありますし、すでに多くのAIエージェントを使っています。ただ、私たちの業務をそのまま任せて運用できるAIは実はありませんでした。本来、そこが最も効率化につながる部分なのに。そのようなAIを探していたとき、偶然RUFU AIを知りました。
──最初の印象はいかがでしたか。
川口様:以前からやりとりがあり、リニューアル前のプロダクトについても話を聞いていました。しかし、あらためて説明を受けたとき、以前とはまったく違うと感じました。「これはうちの現場で使える」と思ったのを覚えています。SlackからAIに指示を出せる点にも、大きな魅力を感じました。
──最初に着手したのが、先程お話しした数値の集計とレポーティングでしたね。
川口様:私も自分でAIを組み、同じことを実現しようとしました。ただ、うまくいかなかった。それが、RUFUにお願いすると翌週には形になっていた。そのことに感動し、これならさまざまな業務にも応用できると思いました。
黒岩:そこは、僕らが最もこだわっている点です。現場で「この作業をやめたい」と思ってから、実際に動く仕組みができるまでに時間がかかると、その間も人が手作業を続けなければなりません。だからこそ、できるだけ早く動く仕組みを提供することを最優先にしています。
After ── 人が見に行く仕事を、通知が来る仕事に変える
川口様:現在、博報堂では、週次・月次の指標反映、競合データの取り込み、Amazonのカート取得状況の監視、競合価格やセールの検知、Amazonトップページのバナー定点観測といったワークフローが本番稼働しています。
黒岩:監視系のワークフローでは、対象を定期的に確認し、状態が変わったときだけSlackに通知します。人が管理画面を確認しに行く作業そのものをなくす設計です。「毎朝チェックする」業務を、「変化があったら通知が届く」状態に置き換えています。価格やセールの検知も同じ考え方で、取得結果は履歴に残るため、変化があったときだけ確認すれば済みます。
──レポート作成にかかる時間は、現在どのようになっていますか。
川口様:週次の数字は、私たちが作業を始める前に既に揃っている状態になっています。私たちは、そこに知見を加える部分だけを担当すればよくなりました。セール時に担当者がトップページを継続的に確認していた作業も、同じように置き換えられています。
──RUFUの支援を評価いただいているポイントは、どこでしょうか。
川口様:まず、EC業務を理解した上で実装されていることです。ここは、他社とは大きく異なる点だと思います。もう一つは、皆さんの技術力と実装スピードです。うちのデータサイエンティストや、AIを組むエンジニアと話していても、そのスピード感には驚かされます。
黒岩:ありがとうございます。スピードは、僕らが最も強みだと認識している点なので、そう言っていただけて、素直にうれしいです。
未来 ── AI同士を組み合わせて、業務そのものを設計する
──次に取り組みたいことはありますか。
川口様:今は、複数のAIを組み合わせ、一連の業務フローを作ることに挑戦しています。もう一つは、社外とのコミュニケーションへの展開です。ここにAIを活用できれば、お客様と私たち、双方の負担を減らせます。そこまで目指したいと思っています。
川口様:その先は、マーケティング領域全体にも広げていきたいですね。
黒岩:最近は、僕らにとっても初めて取り組むテーマが出てきています。新しい仕組みを一緒に立ち上げられる協業体制は、純粋に面白いと感じます。この形をさらに広げていきたいと思っています。
──同じようにコンサル業務の工数に悩んでいるチームへ、一言お願いします。
川口様:時間あたりのコストで考えれば、答えは出ます。迷わず導入した方がいい。ただし、業務を理解しているパートナーを選ぶことをお勧めします。
インタビューを終えて
「AIエージェントはたくさんある。でもECの業務をやれるAIはなかった」──川口様のこの一言に、今回の取り組みのすべてが表れていました。
AIを導入しても、人がプロンプトを書き、出力を貼り付け、最後に確認するだけでは、業務量は変わりません。博報堂チームは、業務そのものを引き受けるAIを必要としていました。
業務をAIに任せることで、次に何をすべきかを考える時間がチームに生まれました。RUFUはこれからも、その時間を生み出す側であり続けたいと思います。